ギターアンプについてカンタン解説。
要点だけをシンプルに。
エレキギター用。
はじめのいっぽ。
基本
- 英語では「Guitar Amplifier」
- Amplifierの意味は「増幅器」
ギターアンプは英語では「Guitar Amplifier」と書きます。Amplifier(アンプリファイア)の意味は“増幅器”で、接続したギターの音を大きくしてくれる必須機材です。
ただし、アンプ単体では音を出すことは出来ず、増幅された電気信号を音に変換する「ギター用スピーカー」が必要になります。一般的にキャビネットという箱に入ってます。
音(電気信号)の流れ
- エレキギター
- アンプ(プリアンプ→パワーアンプ)
- ギタースピーカー
エレキギターの信号はシールドを通じアンプへ、アンプから接続されたスピーカーへと流れ音が出ます。アンプは主にプリアンプ部とパワーアンプ部があり、プリ→パワーの順に信号が通ります。
アンプは一般的にヘッドタイプとコンボタイプに別れ、それぞれアンプヘッド、コンボアンプと呼びます。アンプヘッドは単体では音を出せないので、別途スピーカーが入ったキャビネットが必要です。
コンボアンプはアンプヘッドとスピーカーが一体化しそれ単体で音を出せるものを指します。
構造
プリアンプ
プリアンプ(前置増幅器)=Preamplifier
Preは“前”という意味。ギターアンプにおける主な役割は音作りで、歪み量の増減や音色の調整を行えます。アンプにはそれぞれ以下のように表記されることが一般的です。
- 歪み…Gain, Volume
- 音色調整…Treble, Middle, Bass
搭載機能や表記などは各アンプ毎に結構違います。
パワーアンプ
パワーアンプ=Power Amplifier
エレキギターの音をスピーカー駆動できるまで増幅するのがパワーアンプの仕事。無色透明に音を大きくするのが本来の役割ではありますが、実際は出音に少なからず影響を与えます(特に真空管が使われている場合)。
アンプにはMaster (Volume)表記が一般的。単純に全体の“音量”と考えて問題ないでしょう。
増幅方式
ギターアンプにおける音量を増幅する方式は大別して2種類あります。真空管というガラス管を用いた増幅方式と、ソリッドステートという半導体回路を使用した方式です。
それぞれ、真空管アンプ、ソリッドステートアンプと、名称は採用している増幅方式そのまま。
真空管
真空管=Tube(チューブ), Valve(バルブ)
真空管は英語でVaccum tube。ギターアンプの場合、真空管アンプやチューブアンプという呼称が一般的。海外ではバルブアンプと呼ばれることもあり、覚えておくと調べものをする際などに役立ちます。
- 寿命は約5000時間~
- 反応が良い、温かみのある音
- 限界駆動時にも良質な出音
- ソリッドステートより音が大きい
- 壊れやすく気難しい
プリアンプに真空管、パワーアンプにはソリッドステートという、所謂ハイブリッドアンプと呼ばれる製品もあります。ただフルチューブアンプのサウンドは替えが効かないというのもまた事実。
ソリッドステート
ソリッドステート=Solid State
トランジスタ=Transistor
昔はトランジスタアンプという呼び方が一般的でしたが、最近はソリッドステートの方が優勢。性能的には明らかに真空管よりも上ながら、性能イコール出音ではない所が音の世界の不思議。
- 半永久的に使用可能
- フラットで安定、硬質な音
- 限界時に出音が破綻しやすい
- 消費電力も低く壊れにくい
価格も安く動作も安定、小型製品にも導入しやすい。真空管に比べ有利な部分は多々あり。“冷たい音”などと揶揄される事が多いですが、近年はモデリング技術との組み合わせで出音も確実に進化。
出力について
ギターアンプの音量の目安となっているものがワット数です。ただし厳密にはワット数に比例し音量が持ち上がっていく訳ではなく、ワット数はアンプのパワーを現している、というのが表現的に近いでしょうか。
注意すべきなのは、同じ出力のソリッドステートアンプと真空管アンプでは、真空管アンプの方が音量が大きいという点です。ヘッドルームなど様々な要因によるのですが、今回は割愛します。
最後に、一般的に言われているプレイ環境に必要な出力の目安をまとめておきます。
用途 | アンプの種類 | 出力目安 |
---|---|---|
●自宅練習 | 真空管アンプ | ~10W |
ソリッドステートアンプ | ~20W | |
●小・中規模ギグ | 真空管アンプ | 20W・30W |
ソリッドステートアンプ | 30W・50W | |
●大規模ショー | 真空管アンプ | 50W~ |
ソリッドステートアンプ | 100W~ |
狭い部屋では真空管アンプは間違いなく出力過多ですが、反応の良い弾き心地は低出力でも感じることはできます。バンドで演奏するのであれば、プレイジャンルやドラムの音量なども考慮する必要があります。
またプレイする会場のPAシステムとの兼ね合いもあるので、単純に出力が大きければいい、という訳でもありません。厄介なのはアンプによってボリュームの感度が異なる事で、1/4程で最大音量に到達するものもあります。